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寝る前のスマホは本当にダメ?「分かっているけどやめられない」を睡眠と行動の視点から考える

2026年10月13日

「寝る前にスマホを見るのはよくない」

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

それでも、

布団に入ってからSNSを見る。

動画を一本だけ見るつもりが、次の動画も見てしまう。

ニュースを確認する。

ゲームをする。

気がつくと、予定していた就寝時刻をかなり過ぎている。

そんなことは珍しくありません。

「スマホをやめればいいのは分かっている。でも、なかなかやめられない」

という方もいると思います。

今回は、寝る前のスマートフォンと睡眠について、

「スマホは睡眠に悪いから禁止しましょう」

という話だけではなく、

なぜ寝る前のスマホは続きやすいのか

という行動の視点から考えてみます。

寝る前のスマホが睡眠に影響する理由

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、良質な睡眠のための環境づくりとして、寝室にスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして眠ることが推奨されています。

夜になると、私たちの身体では睡眠に関係するホルモンであるメラトニンの分泌が増えていきます。

しかし、夜間にスマートフォンなどの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑えられ、睡眠・覚醒のリズムが後ろへずれたり、眠りにつきにくくなったりする可能性があります。厚生労働省

ただし、

「スマホの光だけが問題」

と考えるのも十分ではありません。

スマホを使っている時間そのものが、眠る時間を後ろへ延ばしてしまうこともあります。

22時30分に布団に入り、

「少しだけ動画を見よう」

と思っていたのに、時計を見ると0時になっていた。

この場合、睡眠に影響しているのは光だけではありません。

本来、睡眠に使えたはずの時間そのものが短くなっています。

どうして「あと少し」が続くのでしょうか

ここで少し、行動の視点から考えてみます。

例えば、仕事を終えて家に帰り、

食事。

入浴。

家事。

明日の準備。

ようやく布団に入る。

そこでスマホを見る。

好きな動画を見る。

SNSを見る。

ゲームをする。

その時間が、

「今日初めて、自分が好きなことをしている時間」

になっている人もいると思います。

そう考えると、

「スマホをやめられない」

という行動にも理由があります。

一日中仕事や家事をして、最後にようやく自由な時間ができた。

そこで楽しいことをやめて眠る。

これは、意外と難しいことです。

だから、

「意志が弱いからスマホをやめられない」

と考えるだけでは、問題の解決にはつながりにくいと思います。

スマホが何をしてくれているのかを見る

寝る前にスマホを使っている場合、

まず、

「その時間にスマホを見ることで、何が得られているのか」

を考えてみます。

例えば、

  • 仕事のことを考えなくて済む
  • 退屈しない
  • 楽しい気分になれる
  • SNSで誰かとつながれる
  • 一日の終わりに自分の時間を持てる
  • 眠れないことを考えなくて済む

など、人によってさまざまです。

特に、

「布団に入ったけれど眠れない」

↓

「スマホを見る」

↓

「眠れないことを考えなくて済む」

という流れができている場合、スマホには単なる娯楽以上の役割があります。

眠れない不安や退屈さから離れる方法になっているのかもしれません。

この場合、

「今日からスマホ禁止」

とするだけでは、その役割を果たしてくれるものがなくなってしまいます。

だからスマホをみない、ということが難しいのです。

「スマホをやめる」より先に確認したいこと

まず、数日だけでも、

寝る前にスマホを使っている状況

を観察してみると分かりやすくなります。

例えば、

何時ごろから見始めるのか。

どこで見るのか。

何を見ることが多いのか。

見る直前に何をしていたのか。

どんな日は長く見やすいのか。

スマホを見たあと、どんな気分になるのか。

こうして見ると、

「なんとなくスマホを見ている」

と思っていた行動にもパターンが見えてくることがあります。

例えば、

仕事で疲れた日に長くなる。

布団へ早く入った日に長くなる。

翌日に嫌な予定がある日にSNSを見る時間が増える。

などです。

そうすると、「スマホ」という行動だけではなく、その前後に何があるのかを考えられるようになります。

布団を「スマホを見る場所」にしない

睡眠という点では、もう一つ考えておきたいことがあります。

それは、

寝床で何をするか

です。

毎晩、

布団に入る。

動画を見る。

SNSを見る。

ゲームをする。

考え事をする。

ということを繰り返していると、

寝床が、

「眠る場所」ではなく「起きて活動する場所」

になっていくことがあります。

厚生労働省の睡眠ガイドでも、なかなか眠れない場合には、寝床で眠ろうとし続けるのではなく、いったん寝床を離れ、眠気が訪れてから戻る方法が示されています。厚生労働省

以前の記事でもお伝えしたように、

寝床にいる時間を増やせば、それだけ眠れるとは限りません。

寝床と「眠る」という行動の結びつきを保つことも、睡眠を整えるうえでは大切です。

「寝る前の楽しみ」を全部なくす必要はありません

ここで、

「では夜は何も楽しいことをしてはいけないのか」

と思うかもしれません。

そういうことではありません。

むしろ、

寝る直前まで我慢し続ける生活

では、夜になってから自由な時間を取り戻したくなることもあります。

大切なのは、

「スマホを禁止する」

ことだけを考えるのではなく、

自分が夜に何を求めているのか

を考えることです。

もし寝る前のスマホが、

「一日の中で唯一、自分が自由に過ごせる時間」

になっているのであれば、

睡眠だけの問題として扱うより、

生活の中に自分のための時間をどう作るかという視点も必要になります。

また、

「眠れない不安から逃れるために見ている」

のであれば、スマホ以外にも眠れないときの過ごし方を考える必要があります。

同じスマホ利用でも、対応は人によって違います。

意志ではなく、環境を変える

「今日は絶対スマホを見ない」

と強く決めても、毎晩スマホが枕元にあれば、見るか見ないかをその都度判断することになります。

疲れている夜ほど、その判断は難しくなります。

そこで、

見るかどうかを毎回意志で決めなくてもよい環境

を作る方法があります。

例えば、

充電する場所を寝床から離す。

目覚まし時計を別に用意する。

寝る前に確認する連絡は、寝室へ行く前に済ませる。

動画を見るなら、布団ではなく別の場所で見る。

などです。

大切なのは、

「自分を厳しく管理する」

ことではありません。

眠りたい時間になったとき、自然に睡眠へ移りやすい環境を作っておく

ことです。

それでもスマホを見てしまうなら

環境を整えてもスマホを見てしまうことはあります。

そのとき、

「またできなかった」

と考える必要はありません。

むしろ、

「今日はなぜ長く見たのだろう」

と確認してみます。

仕事で嫌なことがあった。

明日の予定が気になっていた。

昼間に自由な時間がなかった。

まだ眠気がなかった。

何か理由があるかもしれません。

睡眠を整えるときに大切なのは、

正しい行動を毎日完璧にすることではなく、自分の睡眠を乱している条件を少しずつ理解すること

だと考えています。

「分かっているけどできない」には理由があります

健康についての情報は、

「○○しましょう」

という形で伝えられることが多くあります。

睡眠についても、

「スマホを見ない」

「早く寝る」

「規則正しい生活をする」

といったアドバイスがあります。

もちろん、それぞれに理由があります。

しかし、

知っていることと、実際にできることは別です。

できない行動には、その人なりの理由があります。

だからこそMindCompassでは、

「何をするべきか」

だけではなく、

「今、なぜこの行動が続いているのか」

を見ることを大切にしています。

寝る前のスマホも同じです。

スマホそのものを悪者にするのではなく、

何のために使っているのか。

どんなときに長くなるのか。

その結果、睡眠はどうなっているのか。

そこから、自分に合った眠りやすい条件を考えていくことができます。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、良質な睡眠には、光や寝室環境だけでなく、日中の活動、食事、生活習慣など複数の要因が関係することが示されています。

睡眠について、

「分かっているけれど、なかなか変えられない」

ということがあるなら、

自分の意志を責める前に、

その行動が生活の中でどんな役割を持っているのか

を一度考えてみてください。

そこに、睡眠を整えるための手がかりがあるかもしれません。

MindCompassでは、認知行動療法や行動療法の考え方をもとに、睡眠時間だけではなく、生活リズムや寝る前の行動、そのときの考えや気持ちまで整理しながら睡眠改善を支援しています。

和歌山市を拠点に対面での相談を行うほか、オンラインでの相談にも対応しています。

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