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ストレスチェックの結果を会社は見られる?個人結果と集団分析の違いを解説

2026年10月20日

「ストレスチェックを受けたら、結果は会社にも見られるのでしょうか?」

先日、企業向けにストレスチェックについてお話しする機会があり、このような質問をいただきました。

ストレスチェックを初めて導入する会社だけでなく、すでに実施している会社でも、

「会社はどこまで結果を見られるのか」

「集団分析では何が分かるのか」

といった部分は、意外と分かりにくいところだと思います。

結論から言うと、

ストレスチェックの個人結果を、会社が自由に見ることはできません。

一方で、会社が職場全体の状態を把握するための「集団分析」という仕組みがあります。

今回は、この2つの違いについて整理します。

個人結果は、原則として本人だけに返されます

ストレスチェックでは、

仕事の負担や人間関係、上司・同僚からの支援、心身のストレス反応などについて質問に回答します。

その結果は、まず受検した本人へ直接通知されます。

会社の社長や上司、人事担当者が、

「○○さんはストレスが高かった」

「△△さんはこの質問にこう答えた」

と自由に確認できる仕組みではありません。

厚生労働省も、ストレスチェックの個人結果について、プライバシー保護の観点から本人へ直接通知し、基本的に事業者には提供されないと説明しています。

事業者へ個人結果を提供する場合には、原則として本人の同意が必要です。

これは、ストレスチェック制度を考えるうえで非常に重要な部分です。

なぜ会社が個人結果を見られないのでしょうか

もし、

「自分の回答を社長や上司に見られる」

と思っていたら、どうでしょうか。

「最近、仕事がつらい」

と思っていても、

「問題なし」

と回答するかもしれません。

上司との関係について悩んでいても、正直には答えにくいでしょう。

それでは、ストレスチェックを実施する意味が薄れてしまいます。

ストレスチェックは、会社が従業員を評価するためのものではありません。

まず一人ひとりが、

「今、自分はどのような状態なのか」

に気づくためのものです。

結果を見て、

「少し疲れているかもしれない」

「最近あまり休めていなかった」

「一度相談してみようかな」

と、自分自身の状態を振り返るきっかけにします。

安心して回答してもらうためにも、個人結果が守られる仕組みは重要です。

それなら、会社は何も分からないの?

ここで、

「個人結果を会社が見られないなら、会社がストレスチェックをする意味はあるの?」

と思われるかもしれません。

そこで出てくるのが、

集団分析

です。

個人結果をそのまま会社へ渡すのではなく、

例えば、

「会社全体」

「営業部」

「製造部」

など、一定の集団として結果をまとめます。

そうすることで、個人を特定せずに、

  • 仕事の負担はどうか
  • 仕事を自分で進められる感覚はどうか
  • 上司や同僚からの支援はどうか
  • 心身のストレス反応はどうか

といった職場全体の傾向を見ることができます。

厚生労働省も、事業者には個人が特定されないように集計・分析した結果を提供し、それを職場環境改善に活用することを示しています。

つまり、

個人結果は「その人自身のため」

集団分析は「職場について考えるため」

と考えると分かりやすいと思います。

集団分析から個人探しをしてはいけない

集団分析を見るときにも、大切なことがあります。

例えば、

「ある部署で上司からの支援が低い」

という結果が出たとします。

そのとき、

「誰が低く回答したんだろう?」

と考えるのではありません。

見るべきなのは、

その職場で何が起きているのか

です。

例えば、

上司と部下が話す時間が少ないのかもしれません。

上司自身が忙しく、相談を受けられる状態ではないのかもしれません。

誰に相談すればよいのか、職場の中で明確になっていないのかもしれません。

一つの数字から、いくつかの可能性を考えます。

そして、

「実際の職場ではどうでしょうか」

と確認していく。

MindCompassでは、

数字 → 結論

ではなく、

数字 → 仮説 → 確認 → 改善

という流れを大切にしています。

人数が少ない職場では、より注意が必要です

特に中小企業では、

「営業部4人」

「事務職3人」

といった職場も珍しくありません。

人数が少なければ、

集団分析であっても、

「この回答をしたのは誰だろう」

と推測される可能性があります。

そのため、集団分析は個人を特定できない方法で実施することが重要です。

2026年6月には労働安全衛生規則が改正され、2027年4月1日から、集団分析を「特定の個人を識別することができない方法」で行うことが規則上も明確になります。

また、一般的には集団分析の単位が10人を下回る場合、個人特定のおそれがあるため原則として注意が必要です。

ただし、10人未満なら一律に分析できないわけではありません。

厚生労働省は、例えば「仕事のストレス判定図」など、個人を特定するおそれのない方法であれば10人未満でも分析できる場合があると示しています。

重要なのは、

何人だから大丈夫、何人だからダメということだけではなく、その結果から個人が分かってしまわないか

という視点です。

個人結果と集団分析では、役割が違います

ここまでを整理すると、

個人結果では、

一人ひとりが自分の状態を知る。

集団分析では、

会社が職場の状態を知る。

という役割があります。

この2つをごちゃ混ぜにしないことが大切です。

会社が、

「ストレスが高い人を探して対応しよう」

とすると、ストレスチェックに安心して回答できなくなります。

一方、

「個人結果は会社には分からないから、何もする必要はない」

でもありません。

個人情報は守りながら、

会社として改善できる環境がないかを考える。

これが集団分析の役割です。

集団分析は「良い・悪い」を判定するためだけではありません

例えば、健康リスクが全国平均より良かったとします。

そこで、

「うちは問題ありませんでした」

と終わることもできます。

しかし、さらに詳しく見ると、

「仕事の役割が少し分かりにくい」

「部署によって支援の感じ方が違う」

など、改善を考える材料が見えてくる場合があります。

逆に、全国平均より良い部分について、

「なぜここはうまくいっているのだろう」

と確認することもできます。

以前の記事でもお伝えしましたが、集団分析は、

職場の問題の答えを出すものではなく、どこを確認するとよいかを教えてくれるもの

だとMindCompassでは考えています。

数字だけを見て対策を決めるのではなく、実際の職場と照らし合わせながら使うことで、初めて職場改善につながっていきます。

ストレスチェックは「個人」と「職場」の両方を見る制度

ストレスチェックには、二つの方向があります。

一つは、

働いている一人ひとりが、自分自身の状態に気づくこと。

もう一つは、

会社が、自分たちの職場について考えること。

個人結果を守ることと、職場改善に結果を活用することは矛盾しません。

むしろ、

個人の情報はきちんと守る。

そのうえで、個人を特定できない形で職場の特徴を見る。

そして、

「今の職場でもっと働きやすくできることはないだろうか」

と考える。

その両方があって、ストレスチェックを活用できるのだと思います。

2028年4月1日からは、50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されます。

これから初めて導入する会社では、

「結果を誰が見るのか」

「個人情報はどう守られるのか」

「会社には何が分かるのか」

を、従業員にもきちんと説明してから実施することが重要です。

従業員が安心して回答できること。

会社が結果を職場改善に活用できること。

その両方を大切にしたストレスチェックを実施していただければと思います。

MindCompassでは、和歌山市を拠点に、和歌山県内から大阪南部を中心として、ストレスチェックの導入・実施、集団分析、結果説明、その後の職場改善まで支援しています。

単にストレスチェックを実施するだけではなく、

「従業員には何を説明すればよいのか」
「会社にはどの情報が返ってくるのか」
「結果をどう職場改善につなげるのか」

という導入段階から一緒に考えています。

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