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「ストレスチェックの個人結果活用方法」勉強会報告

2025年07月29日
「ストレスチェックの個人結果活用方法」勉強会報告

2025年7月21日(月)にフォルテワジマ(和歌山市本町2丁目)の会議室にて勉強会を行いました。テーマは、「ストレスチェックの個人結果活用方法〜セルフケアにつながる仕組みづくり〜」というものです。今月も概要のご報告をいたします。

7月21日(月)和歌山市フォルテフォルテワジマにて、勉強会を実施しました。勉強会では、制度の概要から導入ポイントを整理し、個人結果シートからセルフケア行動を考えるワークを行いました。
 ストレスチェックは、仕事のストレス要因や心身の反応、周囲の支援状況などを数値で可視化し、従業員自身の「気づき」を促すことが目的です。この「気づき」が、産業医との面談や相談窓口利用といった「つながる」行動へとつながり、さらには職場環境の改善や生活リズムの調整など「整える」ステップへと発展します。この流れを繰り返すことで、セルフケアの習慣が根づいていくのです。現在、労働安全衛生法の改正により、2028年5月までの完全施行が見込まれており、今はまさに準備期間の真っただ中。直前に慌てて対応するのではなく、今年から少しずつ制度を整えていくことが、コストや手間の平準化につながります。メンタル不調による離職や生産性低下を防ぎ、健康経営優良法人としてのブランド価値向上にもつながるメリットがあります。
 結果は本人のみに通知され、プライバシーも守られますが、ただチェックを実施するだけでは形骸化されるのみ。「結果をどう活用するか」の設計が鍵です。たとえば、個人結果シートの読み方レクチャー動画や、セルフケア行動を紹介する社内ポータルなど、行動変容を後押しする仕組みを用意しておくことが重要です。また、管理職の研修やプライバシー保護のルール明確化、社外リソースとの連携など、制度運用の基盤づくりも有効です。
 ストレスチェックは企業文化を変えるチャンスです。従業員一人ひとりが自らの状態に気づき、行動できる職場づくりの第一歩として、導入の道すじ設計ができます。
  次回の勉強会では、「睡眠」についての学習を予定しています。ご参加お待ちしております。
【専門用語解説コーナー】

改正労働安全衛生法
2025年5月公布。50人未満の事業場にもストレスチェック実施を義務付け(施行期限は公布後3年以内)など。


セルフケアのループ
気づく→つながる→整える→習慣化という一連のプロセスを繰り返すことで、従業員が自律的にストレス対処を行えるようになる好循環のこと。


形骸化ループ
ストレスチェックを実施しても結果を活用せず、従業員や組織に変化がないまま制度が形式的に続く状態。制度の意義が薄れ、モチベーション低下を招く。


プライバシー保護
ストレスチェック制度における個人情報の取り扱いに関する配慮。本人の同意なく結果を第三者が見ることは禁じられており、制度の信頼性を支える重要な要素。


社外リソース
地域産業保健センターや専門機関など、事業場外で利用できる産業保健支援。小規模企業にとっては制度運用を支える重要な連携先。


産業医面接
高ストレスと判定された従業員が希望した場合に実施される医師による面談。職場改善や個別対応の基礎となる。


管理職教育
ストレスチェックの実施効果を高めるために必要な、上司の傾聴スキルや部下対応力の育成。職場環境の質に直結する取り組み。

次回の勉強会は、「睡眠」をテーマに9月開催予定です。睡眠時間が短すぎると思考力の低下やメンタルヘルスのリスクが高まり、体調にも影響を及ぼします。健康経営を目指して、「睡眠」について考えてみませんか。ご参加をお待ちしております。

本勉強会は、働く人たちが過ごしやすい職場づくりを探り、インクルーシブな経営を研究するために実施しております。企業経営者の方だけでなく、経営支援業務に携わる方々にもご参加いただき、意見の交流を行っております。取り上げたいテーマのリクエストもお待ちしております。

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